「1話あらすじ」
地球温暖化が進み、地上で人が住める場所は100年前の1000分の1にまで激減した。
このまま放っておけば、人類滅亡の危機が訪れる。
高校生の伊江、今日も行きつけのファーストフード店で、大好きなチキンナゲットにケチャップソースにつけてほおばっている。
「お前、いつもそれ、食ってんな」と、からかいに来たのは親友のカズだ。
カズ「この手の店はピンクスライムの肉を使ってんだ。
捨てるしかないクズ肉を集めて洗濯機へ放り込み、洗剤で洗うんだ。
それを劇薬で消毒して挽肉にして…」耳をおさえて叫ぶ伊江。
そこへ店員の人が来て営業妨害だと注意される。
そそくさと外へ出る。
外へ出ると、3月なのに真夏のように暑い。
行きかう人々はみな汗だくだ。
そんな中、バスが来て、乗り込む伊江とカズ。
バスの中でお互いの夢を語り合う。
カズは気象学者を目指している。
理由は、祖父と祖母を熱中症で亡くしたためだ。
いつになく真面目に語るカズに伊江が感心していたが、ふときずくとカズは気絶していた。
周りを見渡すと、みんなカズと同じように気絶している。
伊江が運転席の方に近づくと、なんと運転手がガスマスクを装着していた。
車内は催眠ガスが撒き散らされたおり、次第に伊江も意識を失っていった。
目を覚ますと、そこは工場のような場所だった。
伊江の周りには意識を失った人々が雑に敷き詰められていた。
そして辺りを見渡すと、冷凍された人間が沢山いた。
それを電動肉切断機で頭から縦に真っ二つにする作業員。
驚愕する伊江に話しかけてくる男が。
男は伊江に「Ⅱ型だな」と宣告し、どこかへ搬送する。
連れてこられた場所には、ブクブクに太った人間たちが、天井から吊るされた管から出てくる液体を必死に飲み干している。
伊江はその場から脱出を試みるも、人が絶対に登れないようになっていた。
そして、もう一度周りを見渡すと、そこにはカズの姿があった。
身体はぷくっと太り、「伊江、お前もこれ飲めよ」というカズは、恍惚な表情を浮かべていた。
カズが持っているチューブからはジュースみたいな、果物みたいな甘い匂いがした。
蒸し暑くて、伊江が一口だけ飲もうとしたその時…
「飲むな」と、一人の男(ナツネ)に羽交い絞めにされた。
その男が言うには、アレを飲むと思考が抑制されるらしい。そ
して、飲んだものはもう別人だと思えという。
そして、伊江に通信手段になるもの、携帯を出せ、もしくは外の情報を話せという。
男の力が強く、意識が遠のいていく中、もう一人の男がそれを制止する。
男が自己紹介をする。
「私は山引。彼はナツネ。私たちはここに運ばれてから3日間何も食べていないんだ。君は?」伊江は名を名乗る。
そして山引にここはどこなんですか?
と訊ねる。すると、耳を疑うような答えが返ってきた。
山引「ここは、人間の飼育室だよ」
「ネタバレ」
地球が年々温暖化、このままでは地球は人間が住めなくなる。
第2話から正体不明の謎の生物たちが出てきます。
内閣総理大臣や閣僚までも巨大生物の言いなりになっている。
これにはある原因が。地球温暖化を防ぐ手立てを、実は巨大生物が持っているらしい。
つまり、人間は巨大生物に頼らざるおえないということなのです。
そのために、人間をできるだけ美味しく飼育し、巨大生物にお供えしている、というストーリーらしいです。
現実の、人間と家畜が逆になっているということですね。
そして、主人公たちを襲うのは巨大生物だけにあらず。
主人公たちが、巨大生物を1体でも殺すと、施設内の安全を確保できなかったということで施設の人間が罰を受ける羽目になってしまう。
幼生体の生き餌として、多いときでは十数人にも及ぶ。
それを抽選で選び、選ばれたものは幼生体に見事に食べられてしまう。
それを防ぐために、人造人間集団、夕凪の会なる奴らも登場します。
はたして伊江たちは、無事に帰れるのか。
「感想」
人間と家畜の関係を逆にして、皮肉っているような印象です。
絵はとてもグロい描写が多いですが、細かく書かれています。
見やすいです。
謎が謎を呼ぶようなストーリーなので、どんどん先が見たくなります。
そして、巨大生物が美味しそうに人間を食べていると、なんだか美味しそうにも見えてきちゃいます。
絵が上手いからでしょうかね。
「見どころ」
巨大生物がとことんまでグロいところが良いです。
作品的にも、ミステリー、サスペンスなので、先がどんどん気になります。ま
た、主人公たちが絶望になればなるほど、こういう漫画は面白いですね。
どのように未知なる巨大な敵に挑んでいくか、これ無理なんじゃないの?という場面が山ほどあるので、それをいかに突破していくのかが、それとも更なる絶望に陥るのか、どの巻からみても、非常に気の抜けない展開となっています。
それぞれの登場人物たちの、物語もしっかりしているし、とても面白いですよ。