ボードゲームやテレビゲームなど、様々な「ゲーム」が大好きな主人公・武藤遊戯。しかし彼はよくいじめの対象になる気弱な少年で、一緒にゲームで遊んでくれる友人がいませんでした。
そんなある日、祖父が不思議なパズルを持ってきます。
それははるか昔の古代遺跡で発見され、数々の人間の手元に渡ったにもかかわらず誰も完成させることのできない謎のパズルでした。
遊戯はそのパズルに「友人が欲しい」と願いを込め、毎日のようにそのパズルに挑戦をしました。
そしてついにそのパズルを完成させたとき、気弱で内気な遊戯にもう1つの人格が生まれました。
遊戯も気づかないうちに闇の人格は表に表れ、様々な悪党に対して死のゲームである「闇のゲーム」を持ち掛け成敗していきました。
そんなある日、大流行のカードゲーム「M&W(マジック&ウィザーズ)」を友人の城之内克也たちと遊んでいると、M&Wの強豪で同級生の海馬瀬人に目を付けられます。
海馬の狙いは、遊戯の祖父である武藤双六の持つ伝説のカード「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」でした。
しかしそのカードは友人から譲り受けた大切なカードで、海馬の交渉に応じることはありませんでした。
そして海馬が強硬手段に出てそのカードを盗むと、その行為に怒り、ついに闇の人格の遊戯が海馬に闇のゲームを申し込みます。
盗まれた最強のカード青眼の白龍に苦しめられるも、逆転のカードで見事に勝利する遊戯。
しかしその後、負けた海馬は復讐のため、財力を駆使し遊戯たちに「DEATH-T」を仕掛けます。
双六を人質にとられる中、城之内たちと協力し合い海馬のもとにたどり着く遊戯。
そこで再び勝利した遊戯は、罰ゲームとして海馬の心を壊し、人質となった双六の救出に成功しました。
しかし平和な日々も束の間、突如転校してきた獏良了や、M&Wの創造者であるペガサス・J・クロフォードなど、遊戯のもつパズルと似たようなアイテムを持つものが次々と立ちはだかります。
そしていつしか、遊戯の完成させたパズル「千年パズル」をはじめとした不思議な力を秘めた「千年アイテム」と、遊戯の闇の人格の謎を巡ることになります。
コミックの感想(ネタバレ、感想、おすすめなど)
昔から大人気で様々な大会も今なお開かれる大人気のカードゲーム「遊戯王デュエルモンスターズ」の原作になります。
アニメなどの影響でカードゲームの作品として広く知られていますが、実は序盤はカードゲームではなく、ボードゲームや体を使ったアトラクションなどで闇のゲームをしていました。
気弱でおどおどした遊戯とは正反対の闇遊戯がとてもカッコよく、杏でなくとも惚れてしまいそうでした。
また少年漫画らしく友情も熱く、はじめはいじめっ子だった城之内や本田も最後までともに命がけで戦っていました。
特に物語中盤で城之内が千年ロッドの所持者であるマリクと対決し命を落とすシーンなどは、城之内の成長に心を打たれながらも衝撃的な展開でした。
またそんな城之内も、盲目の妹のために手術費を稼がなければならないなどの様々な事情を抱えており、ギャグ要因としてだけでなく物語を支えてくれていました。
またライバルキャラも大変魅力的でした。闇遊戯に何度も敗れた海馬も物語が進むにつれて成長し、遊戯まマリクの部下と2対2のデュエルをする際には2人でタッグを組みました。
遊戯に勝つために自らの命を差し出す覚悟を見せたり、弟を大切に思う一面を見せたりなど、数々の名場面が生まれました。
常に最強を目指すその姿は、遊戯とは違った孤高の主人公らしさも感じました。そしてやはり、物語の主人公である遊戯の成長にも常に目を離せませんでした。
物語の序盤では、パズルや闇遊戯に頼る場面も多かった気弱なイメージがありましたが、杏のために恐怖に立ち向かったり、闇遊戯の記憶を取り戻すために様々な困難に挑むなど、優しさだけでなく内に秘めた心の強さを持つ少年でした。
特に物語のクライマックスである闇遊戯と遊戯が対決するシーンは、遊戯の成長を最も感じられるシーンでした。
このデュエルは漫画のほうではある事情により少し短くまとめられているように感じまので、可能であればアニメ版の視聴もオススメします。