この漫画は新人刑務官で主人公の及川直樹が同じ年の死刑囚渡瀬満の死刑執行を行うまでを描いた作品です。
この作品のテーマは死刑執行で渡瀬意外にも多くの死刑囚が登場し、スポットが当てられます。
この漫画を読むことで死刑囚たちが一体どのような生活をしているのか、またいったいどのような心理状態なのかを考えるきっかけになりました。
このような刑務官をテーマにした話はあまりないので興味を持って読むことができると思います。
刑務官になった及川直樹は繊細な性格のため死刑囚の扱いがうまくいかず、いつも悩んでしまいます。
そんなとき彼の目の前にかつてのあこがれの存在だった渡瀬満が現れ、二人の友情と成長を描いていくといった作品です。
私はこの作品を読んで、死刑というものについて考えるきっかけができました。作中で全く反省の色を見せない死刑囚が現れ、刑務所の中で好き勝手に生きている様子でした。
そんな彼らを見て私はすぐに死刑にすればいいのではないかと考えました。
しかしその一方で、自分のしてしまった事の重大さを受け止めて反省の色を見せている死刑囚も何人かいましたし、のちに改心する死刑囚もいました。
私は最後までこの作品を読んだとき、死刑にせず罪を償わせるべきだと思いましたが、直樹は死刑はあるべきだという考えに最終的に到達していました。
人の命について考えるきっかけを作ってくれたのはこの作品が初めてです。
この作品でお勧めできる要素は心理面の動きです。
渡瀬が刑務官を失墜させるためにうそをついたり、平気な風にふるまっていてもやはり死刑を恐れているといった様子はこの作品の見所です。
刑務所に入ったことがないのではっきりとは分かりませんが、人の足音にまでおびえるといった描写は自分が精神的に追い込まれたときと同じなのだろうかと考えてしまいます。
死刑について描いた目新しい作品で読みにくいとは思いますが、ぜひ読んでほしい作品です。直樹と渡瀬の友情についても必見です。