川奈つぐみは初恋の人、鮎川樹(あゆかわいつき)が大学時代に事故に遭い障害を持ちながらも一級建築士として働いてる事を知ります。
再会を嬉しく感じつつも一歩引いてしまい壁を作ってしまった自分は友達とすら呼べないと落ち込むつぐみ。
ある日、鮎川が高熱を出し一般には床ずれ(とこずれ)とも呼ばれる褥瘡(じょくそう)が出来た為に手術の可能性まである事を知り脊髄損傷にはよくある事と障害抱えるだけでなくその後の後遺症とまで戦わないといけない鮎川の過酷な現実をつぐみは目の当たりに。
それでも締め切りの近いコンペを諦められない鮎川は高熱の中、「障害者の自分には次はない」とベッドで奮闘します。
その姿を見たつぐみは自分に出来ることはないか訴えて樹を支えようとします。
コンペ後は一緒に過ごす事が増えるように。
障害が残る事がわかった直後破局した鮎川の元カノの結婚式を一緒に見に行ったり車椅子バスケで同じく障害が抱えそれを受け入れられずに彼女を遠ざけてた高校生晴人と交流したりと二人の時間は増えていきますが、障害を抱えている自分はつぐみに甘えて付き合うわけにはいかないと鮎川はつぐみを突き放します。
「誰かに苦労を背負わせても樹に幸せになって欲しい」という鮎川の母を願いを聞いたつぐみは告白を決意。
鮎川との交際を両親から反対されたりと様々な壁が次から次へと出てきます。
そこへつぐみの高校時代の友人でつぐみが好きだった是枝(これえだ)や樹がリハビリ時代に世話になった介護士の長沢さんという女性まで登場!
気が休まる事もなく「私が頑張らなきゃ」と張りつめていたつぐみはとうとう倒れてしまいます。
倒れてしまったつぐみと鮎川の二人の恋の行方は?
手や足を失った方がその失われた部位に痛みを感じるという幻肢痛で睡眠不足になってしまうなど障害を抱える方にはこんな苦しみまであるのかとこの作品を通じて知りました。
健常で暮らしていけるだけでどれだけ幸せな事なのか身につまされ川奈つぐみと鮎川樹、二人が上手く行く事を願わずにいられない作品です。